「まずは身近なところから」

エシカルな選択をするということ

地球と共存するために必要な概念である「エシカル」。このことを生活者に伝えるため、日本各地で実施し人気を博した移動型店舗「エシカルコンビニ」が、ついにオンラインショップをOPENする。ディレクションを手がける早坂奈緒が、私たちにできるエシカルな選択について語った。

​早坂 奈緒

エシカルコンビニ ディレクター 

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 環境省の調査によると、今、世界の海には1億5,000万トンのプラスチックが漂っている。さらに、毎年800万トンのプラスチックが新たに海に放たれ、2050年には魚の数よりもプラスチックの量が多くなると言われている。「エシカルコンビニ」ディレクターの早坂は、今年2月に石垣島のビーチクリーンプロジェクト「海Love」に参加し、その惨状を目の当たりにした。

「砂浜一杯にゴミが散乱した様子は、嘘みたいだけどそれが現実で、本当に悲しい気持ちになりました。両親の実家が海沿いにあり、私自身も趣味のフラダンスをやるためハワイやタヒチをよく訪れるので、海は切っても切れない存在。この海をきれいに保ちたいという思いがより一層強くなりました」

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現場では子供を含む大勢のボランティアと一緒にゴミを拾い、仕分けをし、集まったゴミは200メートル以上の距離をバケツリレー形式で運ぶ。もちろん、限られた時間で全てを取り除くことなど不可能で、潮の流れが強い冬には二週間もすればまたゴミが溢れた元の状態に戻るという。沖縄周辺には台湾や中国などインド洋から流れてきたゴミが漂着し、日本から出たゴミは海流に乗ってハワイのビーチに運ばれる。そうやって、世界中の美しいビーチにはゴミが溢れているのだ。

「途方もないゴミ問題について考えていると、人間は経済成長と共に大切なものを失ってしまったのだと気付かされる」と早坂は言う。日常的に使うものがいつの間にかプラスチックやビニールなど利便性を重視した素材にすり替わり、結果的に今世界に散らばるゴミの原因を作っているのも自分たち人間だからだ。「子供たちは楽しそうにビーチクリーンを手伝ってくれますが、本来ならゴミ拾いではなくビーチで無邪気に遊んでいて欲しい。

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自分の娘や孫の世代にこの問題の尻拭いをさせないためにも、今自分にできることをやりたいと思いました。まずは、ゴミを減らすこと、そして世界に散らばったゴミを回収し再利用すること。そのためのアクションとして、エシカルコンビニの商品を選択することが、持続可能な社会を作るきっかけになるはずです」

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エシカルコンビニのコンセプトは「自分の手の届く範囲」。日常的に使う身近なものをエシカルな商品に変えていくことができたら、いつの間にか地球にとって良い生き方ができるという考え方に基づいている。「私が考えるエシカルとは、自分も、周りの人も、動物も、“みんなが幸せに生きる”こと。私自身、環境問題について考えると途方に暮れてしまいますが、同じように世の中には何かしたくてもその方法が分からず悶々としている人がいるかもしれない。エシカルコンビニでは、ものを“買う”という行為を通して学びや気づきを提供し、この想いを伝えていけたらと思っています」

セレクトの基準は、クリエイティブであるかどうか。そして、プロダクトや生産背景に早坂自身が共感し、実際に使いたいと思うかという視点も大切にしている。中には、早坂も気づきを得たという布ナプキンもラインナップされている。生活用品である布ナプキンは体に良いだけでなく、生産者の命を救っていること、土壌汚染やゴミを出さないことによる環境改善、地球の再生に繋がるということを学んだ。

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*REMEDY GARDENのオーガニック布ナプキン

その他にもオーガニック洗剤や竹でできた歯ブラシ、マイボトルなど生活に身近な商品が多く、毎日使用し消費量が多いものこそエシカルな選択をして欲しいと問いかける。さらにBIO(ビオ)大国であるドイツやオランダなど海外のブランドも積極的に取り入れている。

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一つ一つが小さいアクションだとしても、沢山の人が取り組めば大きな変化に繋がるかもしれない。今後エシカルコンビニでは、エクスペリエンス(体験)やエデュケーション(学び)のコンテンツも企画予定だ。2021年中にオープン予定の実店舗では、マイボトル用の給水スポットや、プラスチックを減らす取り組みとして洗剤の量り売りも構想している。美しい海や自然を次世代の子供たちへ受け継いでいくため、当たり前にサステイナビリティの視点を踏まえた情報提供や体験づくりをし、気づきの連鎖を広げていきたいと早坂は言う。

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「綺麗ごとかもしれませんが、目標に向かって考えて何かアクションを起こすことが大事。まずは身近なことから。自分自身が心地良いと思うか、自分を大切にできるかを考えて欲しい。それをエシカルな選択に変えるだけで、必然的に地球にとって良い生き方ができると信じています」

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早坂奈緒

大手アパレルブランドのプレスを13年、その後布ナプキンを取り扱う会社の取締役を経て、アッシュ・ペー・フランスに入社。2012年、クリエイティブの祭典「rooms」で誕生した「エシカルエリア」から発展したエシカル事業部のPR・企画営業を担当。現在はエシカルコンビニのディレクター、バイヤーとして日本中を巡っている。Z世代の娘と共に環境活動や、環境問題への勉強にも力を入れている。

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Written by  米田沙良

東京生まれ、東京育ち。

新卒入社した金融会社で営業職を経験後、2017年アッシュ・ぺー・フランス入社。現在は広報兼ライターを担当。好きなことはファッション、インテリア、映画、ゴルフなど。